9日目 塩名田宿【千曲川】~和田宿 2014年8月13日(水)


《本日の歩行距離28.21km (累計212.04km)》

5:10、起床。昨夜もちょいちょい目が覚めながらも眠れたか。夜、遠くで花火大会をやっていた様子。どんどんと音が聞こえた。千曲川のザーッと流れる音、水かさもここのところの雨で増している。昨夜も寒かった!!  テントのフライシートを布団にしたら暖かくてよかった!!

荷物を片づけて、テントを出ると、地元の人が橋から川を見ていた。「おはようございます」と挨拶をする。休憩所の水道で歯を磨いて出発。6:10。


《千曲川河畔、中津橋で野営》

《千曲川、国語の授業でその名を覚えたか》

8:30、望月宿の歴史民俗資料館まで来た。薄曇りだが、陽射しもたまにあり、上着は暑いのでシャツ一枚。風が心地よい。この宿には犬神家一族の映画で使われた旅籠があった。 この先、牧水の碑もあるので楽しみ!!(望月宿に入る前、元禄の仲仙道道標を過ぎたあたりで、立ちしょんした、f(^^;) 9:02、出発。


《素朴・やさしさ(御馬寄の石仏)》

《(百沢の双体道祖神)》

《元禄10年(1697)の古い道標 「仲仙道」と表記》

10:40、立科町役場で休憩。食べ物あるかと思ったが無く、望月でピーナッツチョコ3つばかり食べただけでお腹すいたー。この後、笠取峠があるのに、、。

ここに来る途中、牧水の碑など見れた!! いい宿場町だった(間の宿、茂田井)。

役場でトイレ借りた(小)。朝からずっとコンビニなど見かけていない。ちょっとした酒屋などはあったが。


《若山牧水歌碑》
「よき酒と ひとのいふなる 御園竹 われもけふ飲みつ よしと思へり」
「しらたまの 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり」
「ひとの世に たのしみ多し 然れども 酒なしにして なにの楽しみ」

《「御園竹(みそのたけ)」「牧水」を醸す武重本家酒造》

12:10頃、笠取峠を越えた。結局、何も食べられず、しかし峠を越えたところに「峠の茶屋」があり、焼肉定食(900円)+ご飯大盛りで!!(100円)を食べた。小鉢に塩こんぶ、梅干し2つぶが添えられていて、汗かき旅人には助かる。長野路、補給に気を付けないといけない。今日は薄曇りがちで、比較的すずしい方かもしれないが、水分等補給に注意だ(自販機はちょこちょこあったが)。

食堂に猫がいる。かわいい。スマホの充電もさせていただく。笠取峠の道はいいが、だらだら登る。一昨日の碓氷峠にくらべれば何てことないが、次はいよいよ最高地点1600mの和田峠だ。

食後、日記を書いていたら、熱いお茶を出してくれた。ありがたい!! 水ばかりでも体が疲れるのだ。「どこまで行くの?」とおばちゃんに聞かれた。

13:10になったら出かけるか!!


《中山道最大規模の松並木、笠取峠》

《峠の茶屋。 助かった!飯が喰える!》

《大盛りご飯で、生姜焼き定食》

14:00?、3kmも歩かない内に、長久保宿の「一福処濱屋」まで来た。昔の旅籠建築を利用したものだが、無料の休憩所である。板の間に上がり込んで、ゴロッとするとすずしくて気持ちよい。 トイレもウォシュレットではないが、とてもきれいで洋式である。早速、そろそろ心配になって来た懸案事項、本日の大を心おきなくする。

ここは、お茶も自分で淹れて飲めるようになっている(ちゃんと片付けること!!)。コンセントもあったので、すいませんスマホ・カメラ充電させてもらう。事務室はあるが、基本無人のようだ。 しかし、本当にきれいで、中を見るも出来、昔の旅籠造りの建物をじっくりと見ることが出来る。ありがたい。みんな、絶対にきれいに使わせていただこうね!!  (新田さんに℡して、仕事の件。先方にも℡して、今日入金をしていただく。すいませんm(_ _)m)

ここまで17kmくらい、あまり歩けてないな。もう14:50。

2日野宿をしているので、和田宿では宿をとろうかと悩む。ネットで見ると、民宿みや、という魅力的なのがあったが、結構手前すぎる。明日の和田峠越えを考えると、出来るだけ先に行っておきたい。

和田宿にもあまり店は無さそうだし、その先は20kmくらい諏訪まであるようだ。しかも山道。和田宿前で補給(食糧・水)を明日の分まですることにし、行けるとこまで行って野宿だ!!  方針が決まったら、あとは行動あるのみ!!


《長久保宿 「一福処濱屋」》

 

みみず道祖神や山羊のいる家を通りながら、しばらく行くと、スマホの地図上では最後のコンビニ「セイブオン」がある。そこで補給だ。近くまで行くと、看板がある。 「この先、諏訪まで宿はありません。民宿みや」だそうだ!! やはり。しかし、ここでくじける訳にはいかない。おにぎり3ヶ、固形栄養菓子3箱、コッペパン1、水500ml×2本、 いもけんぴ、をセイブオンで買い込み、リュックに詰める。念のため、アルカリ電池(4本セット)も買った。


《茅葺のバス停》

《みみず道祖神》

《山羊(やぎ)》

和田宿まで来ると、もう夕暮れ。あちこちの家で、お盆の迎え火を焚き、家族連れが盆参りなどに出かける。各家では、故人の写真などを並べ、家族が集まり食事などをしている。 街道筋には、提灯や灯籠が並べられ、町の人の俳句が書かれたりしている。花火を買いによろず屋に走るこども。家族の姿がここにある。昨年、東海道の由比あたりでも、同じような風景があった。

宿を抜けると、だいぶ日が暮れてきた。泊るところを探しながら進む。しかし、なかなか頃合いの場所が無く、どんどん里からはなれて行く。何とかそのあたりで妥協しなくては、、 しかし雨が降って来たら退避する場所も無いし、、などと思いながら不安げに歩いていると、こんなはずれなのに、山の方から軽トラが走って来た。すれ違いざま見ると、荷台には若い男女が並んで立っていた。 運転席の上の棒を握り、風を受けて幸せそうに走って行った。「映画みたいだ」、天国の本屋という映画のシーンを思い出した。


《和田中学校》

《相撲の土俵がある和田神社》

《「焼きナスに 遠来の客 和みけり」》

《灯籠の並ぶ街道筋、家族の姿》

《よろずや》

《軽トラの荷台に若い二人》

さて、どうするかと再び歩き出すと、雨がぽつぽつと落ちてきた。「何てこった」、こぶりの内にテントを張ってしまわなければ、、屋根の下なんて贅沢は言ってられない。とにかく今、雨をしのぐ場所を作らねば!!  などと思い坂を登りきると、、、おーっ、何ということだ!! 屋根のある休憩所、あずまやがあるではないか!!

コンクリートが打たれ、その上にテーブルとイス。そして屋根がおおっている。十分テントの張れるスペースが屋根下にある。昨日の塩名田の先、千曲川の河畔と同じだ。何という奇跡。特に、街道のコースになっている様子も無い。 ひたすらテントを張れる場所を探すために、里はずれを目指しただけなのに!! 奇跡か!? ありがとうございます。本当にありがとうございます。

雨は少しぱらついただけで、あずまやに来た時にはもうやんだ。しかし、天気予報では雨の可能性も示唆している。本当にありがたい。安心して休むことが出来る。さっそくテントを張り、中に荷物を入れ自分も入る。 もう3日、風呂に入らないことになるので、あらかじめ和田中学校のところで濡らしてきたタオルで体を拭き、下着からすべて着替える。さっぱりする。そして、おにぎりを食べ夕食にする。水を飲む。ありがたい。

そして、スマホは充電が心配だが、とにかく今日ソーラーで充電し続けたモバイルバッテリーで充電する。LEDランプの灯りがありがたい。くつろぎ、ガイドブックなどを見て明日のことを考える。 少しすずしくなって来たが、屋根の下にテントを張れたおかげで、(雨よけに)フライシートを使わないで済んでいる。寒くなったら、又、これをかぶろう。間近で虫の声が聞こえる。水の流れる音。テントにもぐるだけで、 こうして安心して横になれるのも不思議だ。昔の人の野宿はテントなど無かったから、どのようにしていたのだろうか。今とちがって、各宿場には宿がたくさんあっただろうから、そんな心配はいらなかったのだろうか。


《テントで一人ほっとする》

~今日のFacebookから~



FACEBOOK 2014.8.13 AM7:16
昨夜は、塩名田宿の先、中津橋を渡った千曲川河畔に宿をとった。増水した千曲川の流れる音、どこか遠くから聞こえる花火大会の音を褥に眠った。 今朝はまだ薄曇り。歯もみがいてさっぱり。さぁ、出かけよう!(^^)/


FACEBOOK 2014.8.13 PM 2:51
笠取峠。峠の茶屋で、焼肉定食大盛をたべ、中山道の古い道を通り、長久保宿まで来た。

 

 


FACEBOOK 2014.8.13 PM 8:07
今日の宿から、窓越しの風景。暮れ行く、和田宿遠景。お盆の旧街道筋は、家族が寄り添う、素敵な町。迎え火の煙る、町だった。


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