12日目 贄川宿~福島宿 2014年8月16日(土)


《本日の歩行距離29.15km (累計291.38km)》

昨夜は駅だけあって、終電までは、ほんとに時々だが、放送がかかったり電車の音、踏切の音などが聞こえる。迎えの車やトイレに立ち寄るドライバーなども。

テントの中にいたから見なかったが、バイクの人が来てやはり野宿をしていったような音もした。(長いジッパーの開け閉め、テントを張るような音) 朝、僕より先に出て行ったようだ。

何度か目が覚めながらも、明け方ごろにはぐっすりと眠れ、6:00に起床。身支度、トイレで大、歯磨きなどをして昨日買っておいたおにぎりを一つ食べる。

自動販売機でお茶も購入(ダイドー茶の葉150円)。FBの返信などする(やはりどこも雨続きのようだ)。駅の放送も朝から大雨で電車が遅れている旨伝えている。 しかし、無人駅は野宿旅の人にとっては大切なお泊りスポットになっているんだろうな。7:20、そろそろ出かけるか!!


《朝の贄川駅》

《木曽谷、山間の関所「贄川関」》

《木曽の山河》

 

【メモ】
・町の家々が道路に沿って建っているのではなく、同じ方向を向いて、段々に並んでいること(続きはあとで)
・家の裏にはみな蔵があり、そこで作業する。
・漆は梅雨のときなど、湿気があるほうが乾きやすい。 ・飛騨春慶との違い。下地の色。平沢⇒黄 飛騨⇒赤 (だったかな?)

木曾平沢は漆工の町。そこで宮原さんという方に出会った。木地師をされている。作品を並べている家の中も見せてもらい、飼い犬のワンちゃんも挨拶。その後、近所の漆器屋さんにもつれていってもらい、 店内から奥の蔵(作業場)まで見せていただいた。平沢では、みな家の後ろに蔵があり、そこが漆塗りなどの作業場になっている。蔵の1階は加工などの作業で、2階は塗りの作業などをする(ほこりの関係)。

さらに向かいの家では、東京から来た人(大西さん)が、古民家の改装工事をやっていて、そこも見せてもらった。彼はもともとは東京で設備工事屋をやっているのだが、この日は平沢で古民家の下水廻りの工事などをしている。 大西さんに中を見せてもらうと、間口からは想像の出来ない鰻の寝床で、50mくらい奥行きがある。今はとてもちらかっているが、すべてきれいにして東京の作家や海外の作家が集って、制作活動の場として使えるようにしたいとのこと。 今日は、芸大の学生も一人手伝いに来ていた。地元の引退した塗り師の方、設備屋の若い方も来ていて、一緒に休憩をしてコーラ、ワッフルもいただいた。大西さんとは連絡先も交換したので、又連絡をして来てみたいと思う。 みんなの記念写真を撮ってお別れした。


《漆工の町、木曾平沢にて 宮原さんの宅》

 

《各お店の奥に蔵があり、工房になっている》

 

《改装中の漆職人の家、奥行きが50m以上ある》

 

奈良井宿は、古い街並みを残す。地元以外の車の乗り入れも出来ないようになっていて、大勢の観光客が歩いている(雨にもかかわらず!!)。色々な店も多く、半日歩いてもあきないだろう。 今でも営業している古くからの旅籠も多く、今度はここに泊りで観光にも来てみたいものだ。その時には、ここを泊まりの拠点にして、さっきの平沢の宮原さん、大西さんを又たずねるのも良い。


《雨の奈良井宿 古い旅籠も残る》

 

《奈良井宿を抜けると、鳥居峠》


 

宿の外れから鳥居峠に向かった。標高もそんなに高くないからと思っていたが、いやいや、なかなかきつい山道で坂も急である。ちょっと気軽になんていう訳にはいかない。やはり恐るべし峠の連続中山道。 クマも心配で大声を出していたら、別の家族連れのハイカーに出会い赤面。雨もザーザー降ってくる。

鳥坂峠、きつい。峠手前のきれいな休憩所で一休み。水も湧いている。この小屋は無人だが、中で泊まれるくらいきれい。何人もで泊まれるくらいの板の間があり、トイレもあるようだ(トイレットペーパー、 殺虫スプレーなど置いてある)。目の前には山からの水が引いてある。

峠から今度はえんえんと下り。途中「クマよけの鐘」なんていうものもあり、カンカン鳴らして行く。栃の木の古木が有名らしく、立派な木がたくさん生えている。すばらしい!!

ようやくふもとまで来たが、ザンザン降りになってきている。


《鳥居峠、熊除けの鐘》

《鳥居峠の山小屋 とてもきれいで泊まれそう!》

《栃の木の古木が立ち並ぶ》

 

《雨に煙る》 

ようやく薮原宿まで来るが、補給場は無い!!雨はさらにひどく!!贄川を出てしばらくのところ(平沢手前)のコンビニ(昨日、最初に行こうとした所)で補給しとくべきだったか。ほうほうのていで、 何とか薮原の駅まで来て、ベンチに座る。まずはトイレで小をして、残しておいたカロリーメイトを食べる。よかった、残しておといて。これが無かったらと思うと恐ろしい!!

次の宮ノ越の宿まで行くと、コンビニがあるようだ(7.5kmくらい)。休憩したらそこまで頑張ろう。今14:50、駅に来て30分くらいたったか。若干雨も小降りになって来たか。(休憩中は体を冷やさないように、 作務衣の上着を着ている)そろそろ出発するか!!ファイト!!


《薮原「尾州御鷹匠役所跡」》

《お六櫛で有名な薮原宿 野麦峠に続く飛騨街道への追分(分岐)でもある 飛騨からの製糸工女も、ここで櫛を求めたりしたのだろうか》

降ったり止んだりの中を行く。途中、国道沿いも歩き、洞門・トンネル(歩道あり)などを行く。しばらく行くと、又しても想定より早くコンビニがあった。(セブンイレブン)「補給は出来る時に早めに!!」という、 今回の旅での教訓に従い、補給をする。水2本、おにぎり3ケ、カロリーメイト100円×3、そして歩きながら食べようとホットドッグも購入。

昨年は、余計な水は背負ったりせず、必要な時に補給(自販機・コンビニなど)としていたが、今回は環境が違う。本当に山間部の道なので、いつ買えるかわからない、食べ物も水も無いなかで日が暮れたらどうしよう、 雨で進めなくなったらどうしよう、という不安がつきまとう。そこで、多少荷物が重くなっても、最低限の食料・水がリュックに入っているというのは、非常に安心感につながり、疲労感にも影響する。

雨により気温が低く、体力の消耗度合いが違うのもある。昨年は猛暑の炎天下だったので、体力の消耗も激しく、少しでも荷物を軽くする必要があったし、東海道は平野部が多いので、補給に困るということはあまり無かった。 (小夜の中山など、自販機が無かったのはごく一部だけだったと思う)

そうして、リュックの重さに安心感を得ながら、さらに歩き福島を目指す。網目状の鉄板の小さな橋で水かさの増した川を渡ったりしながらどんどん歩く。当初想定していたコンビニ(デイリーヤマザキ)まで来る。 さすがに朝はおにぎり一つ、途中ワッフルを半分もらって食べ、昼はカロリーメイト、そしてさっきホットドッグ1本。やはりお腹もすくので、コロッケパンと温かいカフェオレを買って、歩きながら食べる。 よーし、絶対木曽福島までがんばるぞ!!


《雨で増水した木曽川上流部を下る》

《宮ノ越 木曽義仲が挙兵した旗挙(はたあげ)八幡宮》

 

《木曾路を走る中央線》

《中山道中間地点 江戸・京都から約266km》

《水かさの増した川の小さな橋を渡る 誰もいない》

15kmくらい歩いて、ようやく木曽福島の関所まで来た。今までの町とは異なり、電気がたくさんある。ホテルや旅館も多いかな?宿を探そうか、、、。

町はおしゃれな店も多いようだ(暗くて全体像はわからないが)。とりあえず宿場あたりを抜けて、駅まで行ってみよう。駅に着くと、これまでにない大きめの駅だ。もちろん、大きな軒があるので雨はしのげるが、 逆に大きすぎてタクシー乗り場があったりして、テントを張るのもはばかれる。終電を過ぎるまでテントを張ったりなどは出来ないだろう。

そこで、スマホで「木曽福島 宿」で検索する。旅館など、いくつかあるようだが、値段もよかったり、満室だったり。一つ手頃で割と近いところに旅館があったので℡してみた。 すると、素泊まりでよければ5,000円(税別)で部屋があるという。「さらしなや旅館」に投宿することにした。

宿に着くと、まぁ割と古い感じの旅館。濡れた靴を脱ぎ、足を拭いて部屋に上がる。畳の部屋だ。まず充電をセットして風呂に行く。そんなに大きくはないが、一人入るには十分。23:30まで入れるというが、 男女の別があるという説明はない。とにかくさっぱりして部屋へ。

コインランドリーがあったのでさっそく洗濯300円。乾燥は40分100円。しかし、この乾燥、結果的に300円を投入したが、いっこうに乾かず、温かくなっただけ。結局部屋に干して、扇風機をあてておくことに。朝までに乾くのか?

扇風機と書いたが、実はこの部屋エアコンが無い。暑くないのかと思ったが、実際部屋にいて暑くは無い。扇風機も直接風が当たると寒いくらいだ。

下呂の実家でもエアコンなどいらなかったが、このあたりも涼しい土地柄なのだろう。暖房はガス式のものが設置されている。寒さは厳しいのだろう。


《日も暮、雨も降る中 福島の関所を通る》

《久しぶりに見る街の灯に、ほっとする》

《夜雨の福島宿》

 

 

《宿を取り、一息付く》

 

足の調子だが、左足はやはりアキレス腱と足首前側に違和感があり、押さえると痛いのだが、ほぼ普通に歩けるようにはなってきた。ただし、無理は禁物だ。足首まわりは若干腫れているが、足の甲はひいてきた。

マメについては、昨年比でかなり好調だ。靴下を5本指にしたことが大きいだろう。当初、足裏・人差し指・中指あたりがマメが出来そうになったが、早めにテーピング補強をして、その後好調。左親指も同じ。 人差し指先は両足ともに、やはり一番力が加わるのか、先っちょに小さなマメが出来た痛む。常にテーピング補強しているが、右足には水が溜まっていたので針で抜く。そして、ここ2日くらい、両足小指内側下にマメが出来た。 左はすでに皮が剥け乾燥していて、テーピング補強で問題なし。右は新しく水が溜まっていたので針で抜く。明日からテーピング補強すれば問題無いだろう。

親指の付け根が両足ともに痛む。歩いていると、調子は良くなることもあるし、又痛んだりと(我慢できないほどではないが)。今夜サロンパスを貼ってみる。

今(もう0:00をまわった!!)トイレに行った(部屋には無いのだ)が、ここ(トイレ)はきれいに改装されていて、和式ととともに洋式もあり、ウォシュレットだ!! 歯も磨いてくる(流しも共同だ)。 自販機はコカコーラのものが置いてあり、ビールも入っている。若干高い?

1階には共有の休憩室のような部屋があり、コーヒー200円と書いてある。壁にはかつて泊まったお客さんからのお礼のハガキなどが貼ってある。「突然にもかかわらず」というハガキが何枚かある。 僕と同じような人がやはりいるのだろう。今布団に入ったが、、これはいわゆる煎餅布団だな(笑)。もちろん、テントよりは格段に快適に寝られるが。やわらかすぎるよりは良いかな?

そう言えばコインランドリー。東海道では「洗剤は自動投入」とかで、自分で用意する必要は無く、あらかじめ準備していたものは実際には必要なかった。今はそういうものかと思っていたが、 中山道のコインランドリーは、洗剤を別途用意しなければならない。たまたまかな?

ガイドブックによると、福島の宿の中心は昭和の初めの大火で焼失しているそうだ。奈良井宿と比べて夜目の印象がモダンに感じられたのは、そういう理由もあるのだろう。


~今日のFacebookから~



FACEBOOK 2014.8.16 AM 7:30
贄川駅の朝 昨夜は無人駅の贄川駅に お世話になりました。 かなり、雨が降りましたが、 駅舎の軒を借り、助かりました。 今日も雨、水冷式エンジンも好調! 行ってまいります(^^)/ ありがとうございます!

 


FACEBOOK 2014.8.16 AM 7:47
贄川の関所。 中央線の傍らにあり、 いまも、列車の往還を 見守っているようだ。 ※現在の建物は復元されたものです。


FACEBOOK 2014.8.16 AM 9:35
漆工町 木曾平沢 親切な漆工職人のおじさんに、 色々お話を伺えた。 特徴のある町並み。 また来たい町になった。 ※おじさんの飼っている犬です。

 


FACEBOOK 2014.8.16 AM11:41
奈良井宿 古い、街道の町並みが残る宿。 古い旅籠も何軒も営業している。 また、ゆっくり訪ねたい(^^)

 

 

 

 

 

 


FACEBOOK 2014.8.16 PM 3:35
そう、あれはもう10日あまり前のこと。 夏子と、暑いハグをかわし、 「行って来るね!」と 手をふって別れた。 あれから、僕は変わった。 雨美と出会い、 僕は、禁断の恋に落ちた。 雨美との逃避行は、 すでに、一週間に及ぶ。 旅はまだ続く、、 (^^)/

 

 

 

 


FACEBOOK 2014.8.16 PM 5:43
ようやく、半分! 木曽福島の手前、原野という所。


FACEBOOK 2014.8.16 PM22:34
水かさの増した川を何度か渡り、 降ったり止んだりの道を 木曽福島まで来た。 すっかり真っ暗なので、 町の様子はうかがえないが、 お洒落な店も多く、旅館も 素敵な佇まい。 先の奈良井宿とは違った、 現代のセンスを取り込んだ感じ。 木曽路は、各宿場を順に巡り、 その違いを楽しむことで、 時間軸を取り込んだ、 深みのある旅になりそう。 今夜は、木曽福島の宿に投宿。

 

 

 


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